「たたら」とは、砂鉄を溶解させるための炭火の温度を上げるために使う足踏み式の吹子(フイゴ)のことです。
越前国における古代製鉄遺跡は、あわら市に集中していて、権力の象徴とされていた鉄を産出していたことは歴史上の重要な事実です。ここで製鉄が行われていたのは、奈良~平安時代です。
金津の「金」は鉄、「津」は竹田川の積み出し港(川港)と言われ、「金津」町の地名の由来とも言われています。
この細呂木の遺跡は昭和46年(1971年)に福井考古学研究会によって調査がなされ、6基が確認されていました。しかし、平成10(1998)年に清掃確認調査が行われた時には道路開設等で2基が消失していました。現在は4基が残っていますが、崩落等で痛みが進んでいました。今、確かな保存処置をしなければ、歴史的な遺跡を次世代に残せません。
平成29年4月に福井鋲螺株式会社と地元の有志達で「たたら製鉄遺跡保存会」(会員:24名)を設立し、遺跡の価値の確認や保存活用について検討を続けて来ました。そして、平成29年9月に「あわら市指定文化財」への指定を申請し、平成30年1月指定を受けました。平成30年度になり保存事業の補助金を申請し、認められました。
古代製鉄遺跡の風化を防ぐための覆い屋を設置することと、次世代に古代製鉄所の存在を伝えるために、製鉄体験ができるミニパークを整備する計画を進めて来ました。そして、本年9月、ようやく完成しました。
今後は多くの人々に遺跡の存在を知らせ、この施設であわら市内の子供達に古代製鉄を実習で体験してもらい、次世代に伝えて行く活動を続けて行きます。更に、「金津」の名の由来を永く伝えて行きます。