熱間鍛造 | 温間鍛造 | 冷間鍛造 | |
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特徴 | 材料を加熱して再結晶温度以上の温度範囲で行う鍛造。 |
通常の熱間鍛造と冷間鍛造との中間の温度範囲で行う鍛造。 |
常温(もしくは室温に近い状態)で行う鍛造。 |
鍛造温度 | 1100°C ~1250°C | 300°C~850°C | 常温(室温) |
鍛造荷重 | 低い | 中 | 高い |
寸法精度 | △ | 〇 | ◎ |
表面仕上り | △ | 〇 | ◎ |
複雑形状加工 | ◎ | 〇 | △ |
生産数量 | 中・小量生産向き | 中量生産向き | 大量生産向き |
メリット / デメリット |
材料を再結晶温度以上に加熱することにより、変形抵抗は小さくなり、変形能が高くなるため、大型製品や複雑形状の加工が可能。しかしながら、鋼材では約900℃以上で酸化被膜や脱炭が生じる為、表面の仕上り状態が悪く、また熱膨張による寸法精度への影響もあり。 | 熱間鍛造と冷間鍛造の長所を併せ持たせることを狙った鍛造方法。熱間鍛造に比べ、表面状態は良好であるが、適正な条件選定(温度管理)が難しい。冷間鍛造よりも複雑形状の加工が可能だが、寸法精度は出にくい。 | 常温で加工する為、寸法精度のバラツキが小さく、表面状態も良好で、高速加工が可能。しかし、熱間鍛造に比べ、材料の変形抵抗が高く、変形能も小さい為、複雑形状への対応には豊富な経験値が必要とされる。型寿命は加工条件にもよるが、数千~数十万以上に及ぶ。 |
1. 材料の利用効率が高い
2. 高速生産が可能
■ 生産スピード(段付リベットの場合)
■ 累計生産数の推移
3. 機械的性質の向上
4. 部品コスト低減に有効
下記の表は、切削加工と冷間鍛造加工がそれぞれ持つ優位性を比較した一覧となります。冷間鍛造は、全体の加工精度や加工自由度的には切削加工に及びませんが、部分的であれば、冷間鍛造で切削品相当レベルの加工精度を実現した事例も存在します。
また、切削で加工すると多くの工数を要する複雑な形状でも、冷間鍛造で加工することによって少ない工程数で仕上げることができたケース等も存在します。
求められる製品形状や寸法精度が冷間鍛造で加工可能な範囲であれば、材料を有効利用しながら高速生産をおこなうことが可能となり、部品コストの大幅な低減や生産キャパ不足(調達納期)の改善へとつながる可能性があります。
切削加工 | 冷間鍛造 | |
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材料歩留まり | △ | ◎ |
加工スピード | △ | ◎ |
製品強度 | ○ | ◎ |
加工精度 | ◎ | ○ |
加工自由度 | ◎ | ○ |
少量生産 | ◎ | △ |
大量生産 | △ | ◎ |
試作納期 | ◎ | △ |
量産納期 | ○ | ◎ |
金型 | 不要 |
必要 |
ねじ加工
E溝加工
尖り先加工
球面加工
平目
ローレット
アヤメ
ローレット
スパイラル
ローレット
リード
スクリュウ
転造によるネジ加工は、ファイバーフローライン(金属繊維状組織)の繋がりと加工硬化により、内部強度に優れたネジを製造することが可能です。また、1本あたりの加工スピードが速く、製造途中に材料のロスを発生させないことから、コスト的にも納期的にも優れた製品供給を可能とします。